小沢氏側が異議申立書を提出



 指定弁護士は初公判(6日)の際の冒頭陳述で、陸山会の土地購入のために元代表が提供した4億円の由来を「東京地検特捜部の聴取に対する説明も一貫性、合理性を欠き、今に至っても明確に説明していない」と指摘した。【和田武士】



 元代表の供述調書は証拠請求されておらず、弁護側は「証拠に基づかない意見、評価だ」としている。土地購入を巡り、政治資金規正法違反で強制起訴された民主党元代表、小沢一郎被告(69)の弁護側は12日、「検察官役の指定弁護士の冒頭陳述に証拠に基づかない意見や評価が含まれており裁判官に予断と偏見を与える」として、一部削除を求める異議申立書を東京地裁に提出した。


異例の人勧無視、政府の思惑



 ◆連合も賃下げ了承

 これまで勧告の実施を見送った例は戦後の混乱期を除けば昭和57年の1度しかない。人勧見送りには「憲法違反」との指摘もあり、実際、57年の見送りは訴訟に発展した。

 政府は今回、人勧見送りの代わりに国家公務員の給与を人勧よりも大幅に削減する特例法案を成立させることを目指している。

 本来、連合としては成立を阻止すべき法案だ。賃金交渉の導入により、長期的には給与引き上げに歯止めがかからなくなるおそれも出ている。しかし、今年6月の法案提出時に当時の菅直人政権は、労使交渉で給与水準などを決める「労働協約締結権」を公務員に付与する国家公務員制度改革関連4法案との同時成立を約束した経緯がある。政府・民主党は国家公務員給与を平均0・23%引き下げるよう求めた平成23年度の人事院勧告(人勧)の実施を見送る異例の方針を決めた。連合は今年度の大幅賃下げをのむことで、将来的に公務員自らが賃金交渉する権利を確保しようとしたとみられる。東日本大震災の復興財源確保を名目に、人勧の代わりに平均7・8%の給与カットを実現する特例法案を成立させる。ある政府関係者は「政権にとって『人勧には従わなかった』という形を作ることに意味がある」と述べ、異例の措置が含む政治的な意図をにおわせる。(力武崇樹)

 「人勧は受けるべきではない」

 政府の人勧見送り方針には、連合の古賀伸明会長が野田佳彦首相にこう直談判したことが大きく影響している。一方で政府と、民主党の最大支持団体である連合は、公務員に労働協約締結権を付与することでも思惑が一致している。

 国家公務員の総人件費削減は21年夏の衆院選で民主党がマニフェスト(政権公約)に掲げた重要政策の一つ。

 政府が訴訟リスクを抱えてまで人勧見送りに動いたのは連合の了解を得たからに他ならない。

 人勧は国家公務員の労働基本権制約の代償措置として国家公務員法に定められ、政府はそれを順守する立場にある。



 自民党からは「かつての国鉄のような公務員同士のお手盛りの賃金交渉では、長期的に公務員給与の上昇につながる」「ゆくゆくは争議(スト)権を与えることになるのでは」といった批判の声が上がっている。

 しかし、公務員の労働協約締結権付与には、大きな懸念がある。では、労働者の権利を守る立場にある連合がなぜ、こうした主張をしたのか。この際の最高裁判決は勧告制度の意義について「適切な代償措置の存在は公務員の労働基本権の制約が違憲とされないための重要な条件」との補足意見を付けている。

 政府は自民党の反発を受け、特例法案だけ先行成立させることも検討するが、連合の反発は必至だ。公務員に労働協約権を付与しながら総人件費を削減できるのか、首相の手腕が問われることになる。

 ◆「お手盛り」懸念

 実際、古賀氏は、今年度の人勧見送りを主張した理由を「自律的労使関係の確立に展望が開けたから」と説明している。


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